2005年09月22日

■仏放送フィル・ブラス、ザール放送ブラス、ゲリエのTrp.とHrn.

金管関連で注目のWebRadio。未聴だったり、放送案内にはおそかったりと微妙だが、気にせず。まずは、今晩FranceMusiquesで放送された、9/16の演奏会から。

  1. ブルックナー:2つのエクアール
  2. ボザ:四重奏曲
  3. エヴァルト:五重奏曲第1番
  4. ジョルジュ・ドラリュー:ファンファーレ(Fanfares pour tous les temps pour quatre trompettes, quatre trombones et tuba)
  5. スザート:ルネサンスの舞曲
  6. バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番
  7. クリス・ヘーゼル:3匹の猫
  8. クリス・ヘーゼル:クラーケン
  • 演奏:フランス放送フィルのメンバー
    • Xavier Agogue, cor
    • Yohan Chetail, trompette
    • Gilles Mercier, trompette
    • Jean-Pierre Odasso, trompette
    • Jean Luc Ramecourt, trompette
    • Patrice Buecher, trombone
    • Antoine Ganaye, trombone
    • David Maquet, trombone
    • Franz Masson, trombone
    • Victor Letter, tuba
2005-09-16, Salle Sacha Guitry de la Maison de Radio France

金管アンサンブルとしては有名曲ぞろい。クラーケンはアンコールですかねプログラムに書いてあるから違いますね。ドラリューの曲は私は知らないけれど、アンドレの演奏でも有名なのかも。バッハはPJBEの楽譜でしょう。(ラジオ・フランスの演奏会ページでは、前奏曲とフーガBWV549になっているが)

続いて、今夜SR2-Kulturにて生中継される演奏会。

  1. モーツァルト(F.シュマッカー編):フィガロの結婚序曲
  2. バッハ(モワット編):ブランデンブルク協奏曲第3番
  3. ケツィアー:ブラス・シンフォニー 作品80
  4. ベートーヴェン(A.フラッケンポール編):エグモント序曲
  5. バッハ(P.J.ローレンス編):前奏曲とフーガ嬰ハ短調BWV849
  6. ケツィアー:フィリップ・ジョーンズ・ストーリー 作品135
  • 演奏:RSO-Brass(ザールブリュッケン放送交響楽団のメンバー)
    • Robert Hofmann, Trompete
    • Robert Neumair, Trompete
    • Joachim Schroder Trompete
    • Rudolf Nick, Trompete
    • Martina ReitmannHorn
    • Wolfgang Bottger, Horn
    • Matthias Jaus, Posaune
    • Christian Balser, Posaune
    • Helmut WendelerPosaune
    • Stefan Kluftinger, Posaune
    • David Polkinhorn, Tuba
    • Michael Gartner, Pauke
2005-09-21, Hochschule fur Musik Saar から生中継

こちらもブランデンブルク協奏曲。ケツィアーのオリジナル曲とオケ曲の編曲モノというプログラム。エグモントはどこのレパートリーなのだろ。

最後は、9/16にEuroclassic Notturno各局で放送されたもの。シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏会だが、私的にはD.ゲリエのトランペットとホルンの両方が聴ける機会。

  1. フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調
  2. ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス ヘ長調
  3. ウェーバー:ホルン小協奏曲 ホ短調
  4. サリエリ:La Follia di Spagnaの抜粋
  • ダヴィット・ゲリエ, Trp.(1.), Hrn.(3.)
  • イザベル・ファウスト, Vn.(2.)
  • シンフォニア・ヴァルソヴィア
2005-01-29, Waldstein Auditorium, Nantes

フンメルは、以前聴いた北ドイツ放送フィルとの共演時と同様に、特に終楽章がゆっくり丁寧な演奏。伴奏も軽さが備わっているので、納得のテンポ設定だった。イザベル・ファウストの美音を楽しんだ後は、ホルンに持ち替えて、再びゲリエの登場。もちろんホルンを吹いても違和感はない。高音の確実な当り具合は、なかなか他のホルン奏者にはない雰囲気。とはいえウィンナかどうか不明だが、難しそうな楽器を使っているようにも聴こえ、まだまだな面もある。これは、持ち替えだからというよりは、駆け出しのソリストだから今後の経験次第という感じがした。

BartokRadioのアーカイヴでなら、放送後一週間はオンデマンドで聴けるので、興味のある方は聴いてみては。

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2005年08月31日

■ユッカ=ペッカ・サラステ指揮シュターツカペレ・ドレスデン(ザルツブルク音楽祭2005)

8/26にORFで生中継されたザルツブルク音楽祭からの演奏会。

  1. ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」序曲
  2. バルトーク:「中国の不思議な役人」Sz.73
  3. シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
  • 指揮:ユッカ=ペッカ・サラステ
  • シュターツカペレ・ドレスデン
フェルゼンライトシューレから生中継

改めてシュターツカペレ・ドレスデンは上手いと感じた。単に機能的にすぐれているオケなら、もっとある。音色の適切さや魅力と機能性の両方が備わっている(*1)上手さ。

特にシベリウスが良かった。終楽章のドライブ具合は見事で、コーダのテンポは、「まさにこうやりたいのだけど(*2)」という壮大さ。最後のコードは音を一つ一つ吹き直すが、その間には意図的に弦セクションの音を残すのが、成功している(ごうっという感じ)。最後の音でのトロンボーンのクレッシェンド具合は、途中で吹き直しているか、後出しにしか思えないが、よく効いているわ。

以下は聴きながら思い出したことで、この演奏とは関連ない。シベリウスのトロンボーンの使い方の特徴としては、音域が下寄りというのがあり、この曲もそう。ほとんど五線(ヘ音記号)に収まる。ところが、コーダ最後のトランペットとのユニゾンのみが、突然音域が上がる(*3)。そこだけ吹くのはたいしたこと無いが、ずっと通してきた後だと、結構もたないものだ。

あとは同じ箇所の3番パートの話。先ほどの記述は1番と2番パートのみで、3番はまたちょっと違った事をしている。上とは異なり、音を伸ばして残るので、ちょっとエコーっぽい効果がある。が、こちらがよく聴こえる演奏は少ない。(*4)


*1 私の好みは、多少音色優先のようだ。
*2 実際吹いてみると、あまり遅すぎると息が持たなくなるので、そんなにゆっくりにもできない。
*3 といっても、他の作曲家からすればさほど高くないが。急に輝かしくき聴こえるという効果を狙ったのだろう。
*4 この日のシュターツカペレ・ドレスデンもあまり目立たなかった。強調していないだけなのかはわからない。
posted by あさがら at 18:41| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月02日

■北ドイツ放送フィル、ヴェニス・バロック管弦楽団、オランダ放送室内管弦楽団

夏の音楽祭シーズンで演奏会沢山。Promsは別に書きたいので、それ以外のものから。バイロイトは少ししか聴かないので省略。おまけに、NHK-FMではオセアニア特集と興味深いものまであったが、まだあまり聴いていない。

まず7/23にNDRにて放送された、ハノーバー・ヘレンハウゼン祝祭週間からの演奏会。

  1. バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068
  2. ヘンデル:オラトリオ「セメレ(Semele)」HWV58から“極みなき喜び、限りない愛を(Endless pleasure)”
  3. ヘンデル:歌劇「リナルド(Rinaldo)」HWV7から“涙の流れるままに(Lascia ch'io pianga)”
  4. テレマン:管弦楽組曲ハ長調「ハンブルクの潮の満ち干(Hamburger Ebb' und Fluth)」TWV55:C3
  • Sop.マリタ・ソルベルク(Marita Solberg)
  • アンドレアス・シュペーリンク指揮
  • ハノーファー北ドイツ放送フィル
[2005-07-01,Galerie,Festwochen Herrenhausen 2005]

Das Neue Orchesterを率いるのはクリストフ・シュペーリンクだが、関係あるのか?
トランペットなど通常のモダン楽器を使用しているものの、ピリオド奏法を多用しており聴きやすい。管弦楽組曲のエアもビブラートなしが基本の音色。今までテレマンの管弦楽組曲はモダン楽器だとつまらない印象があったが、この演奏では音型にいろいろ工夫があり、楽しく聴けた。


7/27にRADIO4-NEDにて放送された、2004キッシンゲン夏のフェスティヴァルの演奏会。昨年の音楽祭シーズンのものだが。

  1. バッハ:管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
  2. ヴィヴァルディ:弦楽と通奏低音のための協奏曲ト短調RV.156(F.XI-17,P.392)
  3. ヴィヴァルディ:モテット「渦巻く海で(In turbato mare irato)」RV.627
  4. バッハ:オルガン協奏曲ニ短調BWV1066
  5. アルビノーニ:2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲ニ長調op.9-12
  6. ヴィヴァルディ:モテット「私は嵐の真っただ中にいる(Sum in medio tempestatum)」RV.632
  • Sop.シモーネ・ケルメス
  • Org.トビアス・リントナー
  • Ob.ニコラ・ファヴァロ,ミケーレ・ファヴァロ
  • アンドレア・マルコン指揮
  • ヴェニス・バロック管弦楽団
[2004-06-22,Kissinger Sommer 2004]

こちらはピリオド楽器のアンサンブル。 オープニングの組曲第1番が特に印象に残った。序曲はフランス風の付点で処理した演奏。通常の16分音符ではなく、もっと後ろにつめたもの。この曲でやるのは珍しいかも。


7/21にKlaraで放送された、アムステルダム・モーツァルト・フェスティバルの演奏会。

  1. ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲ニ長調「バーゼル協奏曲」
  2. モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調KV466
  3. モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調KV138
  4. ストラヴィンスキー:プルチネルラ組曲
  • Pf.アレクサンドル・メルニコフ
  • ヤープ・ヴァン・ツヴェーデン指揮
  • オランダ放送室内管弦楽団(Radio Kamerorkest)
[2005-07-10,Mozart Festival Amsterdam]

ストラヴィンスキーも良いが、モーツァルトのディヴェルティメントが最高だった。すっかりはまってしまった。人数は絞っているものの、弦楽5部合奏による演奏。テンポ設定も最適だし、音末の処理がすばらしい。この曲のピリオド楽器による演奏ということで、コープマンとABOのCDも聴いてみた。こちらは楽器の音色が生きているが、テンポの快速さなどでは、やはりRKOの演奏にはまってしまう。

なおピアノ協奏曲は、同じRKOでも4月の演奏のが良かった。このときはブリュッヘン指揮、Pf.ロナルド・ブラウティガムというものだった。

posted by あさがら at 18:18| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月19日

■ファビオ・ルイージ指揮中部ドイツ放響、マーラー:交響曲第2番「復活」

音楽系としてBlogListに入れてもらっているとこも多いので、たまには育児日記ばかりでなく、音楽ブログの記事も書かねば。(サッカーはさらに後回しか…)。4/17深夜にMDRにて生中継されたもの。

  1. マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
  • Sop.クリスティアーネ・エルツェ
  • Ms. 藤村実穂子
  • 中部ドイツ放送交響楽団
  • 中部ドイツ放送合唱団
  • 指揮:ファビオ・ルイージ
[2005-04-17, ライプツィヒ・ゲヴァントハウスから生中継]

ヨーロッパを中心に活躍している藤村実穂子さんがメゾ・ソプラノ(*1)を担当するため、番組表Wikiなどでも注目されたようだ。

ファビオ・ルイージの指揮は、終楽章などでやや端折り気味なところがあるが、全体としてはきびきびした音楽の範囲に収まっていると思った。コラール音型は一つ一つ音を切るやり方。トロンボーンでゆっくり始まるあたりはホールの響きと合っていて良いが、トランペットからTuttiに移るあたりは、テンポを上げるのに合わせて、とても短くなるのが特徴的。それからクレッシェンドの幅を大きくとる箇所が多かった。一旦音量を落としてからグッとあげるやり方。

トランペットはやや音が荒れるものの、High-Cは健闘していた。ホルンセクションは音色がとても良い。曲の最後の音はトラペットがややあっさり気味であったが、それでも長い沈黙の後に拍手。良い雰囲気であった。


*1 楽譜の指定はアルト。実質歌曲である、第4楽章の“原光”をはじめ、この曲ではソプラノよりも重要なパート。
posted by あさがら at 12:57| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(4) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月07日

■ラウタヴァーラ:極北の歌(ヴァンスカ/ミュンヘン・フィル)とチジク:モーツァルトの主題による幻想的変奏曲

忙しくてちっとも更新していなかったが、忘れないためにも最近印象に残ったものを。まずは、4/1にBayern4にて放送された演奏会。

  1. ラウタヴァーラ:極北の歌(Cantus Arcticus)〜鳥の声とオーケストラのための協奏曲作品61(1972)
  2. チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
  3. (アンコール) ココリアーノ:“Red Violin”の音楽から
  4. シベリウス:交響詩「大洋の女神(Aallottaret)」作品73 (1914)
  5. シベリウス:交響曲第7番ハ長調 作品105 (1924)
  • ミュンヘン・フィル (Münchner Philharmoniker)
  • 指揮:オスモ・ヴァンスカ (Osmo Vänskä)
  • ヴァイオリン:ジョシュア・ベル (Joshua Bell)
[2005-03-12, Philharmonie, Münchner Gasteig]

ヴァンスカはミネソタ管との共演がよく米国の放送局で流れるが、ドイツのは珍しいしシベリウスを中心としたプログラムも興味深いので聴いた。これでビットレートが高い局なら、なお良いのだが…。

1曲目のラウタヴァーラにはまってしまった。録音による鳥の声とオケの共演。出やバランスが細かく指示されているらしく、バランスが絶妙。鳥の声といっても、レスピーギやメシアンのような“さえずり”系ではなく、北の渡り鳥系の鳴き声。特に3曲目の白鳥の声は懐かしさを感じる。曲の出だしは、モルダウみたいな2Fl.でのうねうね。わりと淡々と進み、時には鳥の声だけの部分も。最後に少しだけクライマックスがあるが、全体は聴きやすい平穏な曲想といえるのでは。最後のクライマックスの主題がとくに耳に残った(*1)。

ラウタヴァーラは名前は耳にするものの、あまり聴く機会がなかった。2月の頭にMusiq3で放送された、ミッコ・フランク/ベルギー国立管の演奏会で冒頭に演奏された“我らの時代のレクイエム”(A Requiem in Our Time)でちょうど興味を持ち始めたところ。今回の演奏を聴いてからググったら、読響&ヴァンスカでのCantus Arcticusがテレビで放送されたばかりだったらしい。惜しい。A Requiem in Our Timeは金管アンサンブル+打楽器という編成で興味をひいたのもあったが、Cantus Arcticusも聴いたところ、自分にとっては心に響いてくる作曲家(*3)なのかもしれないと感じ始めた。Requiemのきつめの音響も、Cantusの響きもどちらもいい。他の曲も聴いてみないと。

昨夜(4/6)にアヌ・タリ&ノルディック交響楽団?(Pöhjamaade Sümfooniaorkester)の演奏会がKlassikaRaadio(エストニア放送)で放送されてたが、このオープニングもCantus Arcticus。こちらも楽しみだ。(まだ聴いていない)

さて、ミュンヘン・フィルの演奏会に戻るが、シベリウスはもうヴァンスカお手の物。特に交響曲第7番は、確信に満ちた演奏。最後のクライマックスの少し前で、Trp.の上のGを強調していたのが印象的。なお、ヴァンスカの指揮はすばらしかったのだが、ドイツの放送局のため“ベン助”と読まれていた(*2)のが日本人的には脱力。


もう一つは、4/4にSR-P2(*4)にて生中継された演奏会。

  1. ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調作品21
  2. モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調KV271「ジュノーム」
  3. L.チジク:モーツァルトの主題による幻想的変奏曲
  • ザールラント州立管弦楽団
  • 指揮:アリエル・ズーカーマン
  • ピアノ:レオニード・チジク
  • ヴァイオリン:ヴォルフガング・メルテス
[2005-04-04, Kongresshalle, Saarbrücken]

最初は正統的なベートーヴェンとモーツァルト。最新の奏法とまでは行かないものの、なかなかきびきびした演奏で楽しめた。

残りがソリストの自作曲、モーツァルトの主題による幻想的変奏曲。主題は“トルコ行進曲付き”で知られるKV331のソナタの第1楽章(*5)。レーガーが管弦楽のための変奏曲とフーガに使用していたのと同じ主題。このチジクはジャズ畑では有名な方らしく、最初はかわいらしくモーツァルトで始まったが、そのうちジャズになっている。ソロがピアノだけでなくヴァイオリンにもある。伴奏は弦楽合奏とリズム隊でわりと小編成。モーツァルトとジャズを行き来するあたりはF.グルダを思い出した。ピアノとヴァイオリンのソロだけの部分もありこのあたりはジャズ・ヴァイオリンのノリが必須。なかなか楽しめた。

調べてみると、この曲はクレーメル達がとりあげて知られているのですね。もちろんチジクのソロで。


他にも、復活祭時期のマタイ受難曲をはじめとする各種宗教曲、4/2のアンデルセン生誕200年に合わせた北欧各局の特番などが印象に残った。


*1 トランペットなどでHigh-Cの周辺を回る旋律。低音質の中継ながら、奏者の音色がいいのもわかる。。
*2 aウムラウトなので。予想はしていたが。
*3 そうでない作品はつまらないという訳ではない。ただほとんどの作品が自分に合っていると感じる作曲家が何人かいる。他にはシベリウス、ボロディン、ムソルグスキー、シューベルト、バッハ、ビーバーとか。
*4 私が聴いたSR-P2はスウェーデン放送。ザールブリュッケン(ドイツ)の地元局は、似た略称のSR2(ザールラント放送)で、当然こちらでも生中継していた。
*5 第1楽章なので、トルコ行進曲ではない。
【4/8追記分】
posted by あさがら at 12:59| 千葉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月18日

指揮者マルチェロ・ヴィオッティ急逝

asahi.com(*1)-フェニーチェ歌劇場音楽監督のビオッティさん死去

asahi.com-フェニーチェ歌劇場のビオッティ音楽監督が死去、日本公演は予定通り行います

これから円熟が期待できる指揮者(*2)、という位置づけだっただけに、びっくり。享年50歳ということですから、ゲルギエフなどと同世代ですよね。まだまだこれなからなのに…。つい最近までオペラを中心に演奏が伝わってきていただけに、なおさら驚きです。昨年から今年にかけていくつかの演奏会を中継で聴きました。

  • 1/11:ウィーン響・ブッフビンダーとの共演でラヴェル:ピアノ協奏曲など[2004-12-13にMusiq3にて放送(*3)]
  • 6/11:北ドイツ放響でオネゲル:交響曲第3番とフォーレ:レクイエム[2005-01-17にRADIO4-NEDにて放送]
  • 9/28:ミュンヒェン放送管弦楽団・エカートシュタインとの共演でフランク:交響的変奏曲など[2005-01-26にBayern4にて放送]
  • 12/18:フェニーチェ歌劇場の「ラオールの王」[各局にて生中継]
  • 2/05:ウィーン国立歌劇場でのグルベローヴァとのノルマの初日[oe1にて生中継]

他には、2004-12-11のMETの「シチリア島の夕べの祈り」がキャンセルされたりとか。

ということで、9月のフォーレのレクイエムを聴いて追悼とした。

P.S.なぜか、『のだめカンタービレ』でヴィエラ先生が出てくると、ヴィオッティ氏を思い浮かべていた(*4)のですよね。


*1 主催公演のため、一般紙ながら早めの記事掲載なのでしょうね。
*2 私が最初に耳にしたのは、ザールブリュッケン放送交響楽団とのライヴの放送録音のいくつかです。たしか、日本から行った合唱団と共演した第九とかもあった。
*3 夕方の時間帯で、音飛び激しいが。
*4 別に顔も人柄も似ているから、と言うわけでもないしなぁ。多分名前が“ヴィ〜”というだけの理由だと思う。
posted by あさがら at 18:12| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(5) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月15日

クリスティアン・ツァハリアス(Pf.&指揮)オランダ室内管、シュネーベル:Beethoven-Symphonie他

昨夜の各局の中継は、北ドイツ放響+パーヴォ・ヤルヴィ、ベルリン・ドイツ響+ナガノのマーラー2番、 オールドバラでのブロドスキーSQ+マーク・パドモアによるブリテンとパーセルなどが目白押し。その中で、まず聴いたのは、 RADIO4-NEDにて生中継されたコンセルトヘボウでのコンサート。

  1. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15
  2. シュネーベル:Re-Visionen I/2: Beethoven-Symphonie
  3. ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55
  • クリスティアン・ツァハリアス(Pf.&指揮)
  • オランダ室内管弦楽団

[2005-02-14, コンセルトヘボウ, アムステルダム]

後半はまだ聴けていない。ベートーヴェンの1番はオープニングにふさわしい、快活な始まり方。伴奏はとても精緻なアンサンブル、 とまではいかないが適切な表現となっていた。

続いてのシュネーベルも含めてのベートーヴェン・プロということらしい。このシュネーベルの作品は、 Beethoven-Symphonieとあったので、いくつかの交響曲からとったコラージュ的作品かと思って聴き始めた。 やや期待を裏切られる形で、第5交響曲の第1楽章のみが、構成はそのままで、リズムを崩して(主に5/8拍子になっている)進められていく。 楽器の割り振りも結構原曲に近い。

ただし楽器編成は室内楽的なもので、聴いた感じでは弦は各1人ずつ。管も各1人ずつで、 Fl.,Cl.Fg.,Hrn.,Trp.(ミュート付きの時間が多い)があった。たしかハープと、打楽器は鍵盤も含め複数奏者で充実。 Ob.がないのが古典色を廃した結果か。終わり前の原曲でのOb.のカデンツァもそのまま出てくるが、これはCl.が担当していた。

聴いている途中では、そのうち他の交響曲も出てくるか、とか、次はなにか仕掛けがあるか、などと期待してしまったため、 やや満足度が薄れてしまった。打楽器他による、“しゅるしゅる(紙?)”や“じゃーん(鉄板?)”が入ってくるのは面白いが、 それ以外は原曲に近い部分が多く、微妙な曲に感じられた(私には)。

なお、Re-Visionen I/2というタイトルが示すとおり、他にもモーツアルトやマーラー、ワーグナーの作品を“改訂” したものもあるらしい。

posted by あさがら at 12:12| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月14日

ジャニーヌ・ヤンセンの「四季」のライヴ

「おかか1968」 ダイアリーにてジャニーヌ・ ヤンセンの「四季」のディスクのレビューがあったのを見て、以前放送されたライヴを聴き直した。 昨年末2004年12月26日にRADIO4-NEDにて生中継されたもの。

  1. J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
  2. ヴィヴァルディ:「和声と創意への試み」作品8より協奏曲第1番〜4番“四季”
  • Vn.ジャニーヌ・ヤンセン, ジュリアン・ラクリン他

[2004-12-26, コンセルトヘボウ, アムステルダム]

メンバーの詳細は不明ですが、CD録音とほぼ同一でしょうか。 通奏低音にはチェンバロorオルガンの他にテオルボも加わっているあたりとかも。バッハのソロの2番はジュリアン・ ラクリンと紹介されていました。四季ではヴィオラに持ち替えた可能性はありますが。

バッハは、思ったほど極端にピリオド奏法を意識しているわけではない。それでも、短い音はより短く、時には意外なテヌートを入れる、 という現在では常套手段である表現でしっかり演奏している。第2楽章は過度に甘美にならないように注意しながらも、艶は残している。

ヴィヴァルディは、特に通奏低音がとてもあたりまえに古楽的アプローチなので、安心して聴ける。 (チェンバロとオルガンの使い分けとか、オルガンののばしにテオルボの和音を強調したりとか)。もともと、古楽団他でなくとも、 なぜかこの曲だけは工夫を凝らす人が多いので、特に驚きはしないが、音色の使い分けなど堪能できた。 春の第1楽章の主題でフレーズの終わりを短めに抜く辺りなど古楽的。 夏の終楽章(Gの同音刻み)はとっても早く始まったので(そこいらへんのピリオド団体顔負け)期待したが、 音階になったらややテンポが落ちたので、ちょっと速すぎただけなのかも。

「坂本くん」様の感想にもあるように、知らないで聴いたら古楽団体と思えなくもない、というのはその通りだと思う。 WebRadioで圧縮レート低めだと、弦楽器の高音部はモダン楽器でも古楽器のように聞こえるのでなおさら。

もともとジャニーヌ・ヤンセンに興味を持ったのは、ヴィジュアル系のプロモーションではなく(笑)、昨年後半にアムステルダム・ コンセルトヘボウで次々と良い演奏をしたのが印象に残ったからです(タイミングを逃し、このblogに感想を載せていませんが)。 その多くがRADIO4-NEDにて中継されたので聴けました。もちろんRADIO4-NEDのサイトでのコンサート・ アジェンダにて美麗な容姿であることは知っておりましたが(笑)。その上で、この技術と表現力があるので将来が楽しみだと。 今日(こんにち)の演奏家としては、もはや当然ともいえる、 曲の様式感(古い曲であれば適切なピリオド奏法的な表現もとりいれつつ)をしっかり出すことも、あたりまえのようにできていますし。

なお、上記の四季の他に放送を聴いたRADIO4-NEDの演奏会中継は以下の2つです。

2004年12月4日に生中継されたもの。

  1. ハルトマン:ミゼレーレ
  2. ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
  3. ターネイジ:とだえぬ悲しみ(オランダ初演)
  4. ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲
  • ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
  • ジョナサン・ノット指揮
  • Vn.ジャニーヌ・ヤンセン

[2004-12-04, コンセルトヘボウ, アムステルダム]

2004年12月19日に放送されたもの。

  1. コダーイ:マロシュセーク舞曲
  2. プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番作品63
  3. バルトーク:舞踏組曲Sz.77
  4. ストラヴィンスキー:タンゴ
  5. ラヴェル:ラ・ヴァルス
  • ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
  • イヴァン・フィッシャー指揮
  • Vn.ジャニーヌ・ヤンセン

[2004-12-12, コンセルトヘボウ, アムステルダム]

12月のひとつきでこれだけ集中的に好演を聴いたら、そりゃ印象に残りますって。協奏曲以外に、 双方のプログラミングも興味深いですね。

ノットの演奏会は20〜21世紀の印象深い作品。大好きだが、 なかなかレパートリーにならないブリテンが採りあげられているのもうれしい(伴奏できちんとTrb.が活躍するVn.協奏曲は、 どうしてもマイナーなものに多い)。終楽章のパッサカリアも、前後のハルトマンやターネイジにより、より引き立っている気がした。

I.フィッシャーの演奏会は“舞曲”がテーマでしょうかね。プロコフィエフの2番も、 終楽章はカスタネットや大太鼓を伴う舞曲風の曲想だし。この曲のジャニーヌ・ヤンセンは、プロコフィエフに必要なメカニカルな動きよりかは、 やや情感的な表現を重視しているように聴こえる。この辺りのせいか、たとえば庄司紗矢香が弾いたときとは、 だいぶ異なる印象を受けた(もちろん両方とも、適切な表現だと思うし、ヤンセンがテクニック的に不足しているわけでもない)

そういえば、先日のN響との共演の生中継は聴いてなかった。アシュケナージのグレートなぞつまらなそうで興味がなかったら、 チェックを怠ってしまった。各所のレビューによると、メンデルスゾーンのロマンチックな表現と、 アンコールでのバッハの様式感の差が意外だったとのこと。

[2/15追記]
posted by あさがら at 12:44| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月03日

プレスト:パトリツィア・コパチンスカヤ&ヘンリ・シーグフリードソン演奏会

今日というか今週聴いていたもの。NHK-FMの1/28放送分。

  1. ベートーヴェン:ロンド・ア・カプリッチョ “なくした小銭への怒り” 作品128[Pf.HS]
  2. ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調作品23 [Vn.PK, Pf.HS]
  3. パガニーニ:“24のカプリス作品1”から第24番イ短調 [Vn.PK]
  4. ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 [Pf.HS]
  5. シューベルト:音楽に寄せて D.547 [歌.HS, Pf.PK](以降すべてアンコール!)
  6. アラン・リド: 雄牛のフェルディナンド[Vn.PK, 語り.HS]
  7. ディニク:ホラ・スタカート [Vn.PK, Pf.HS]
  8. サティ:“右と左に見えるもの(眼鏡なしで)”から“筋肉幻想曲” [Vn.PK, Pf.HS]
  9. ロッシーニ:2匹の猫のこっけいな二重唱 [歌.PK, 歌とPf.HS]

[2004-07-20, Helmut-List-Halle, Graz]

NHKのベストオブクラシックでは、“パトリツィア・ コパチンスカヤ バイオリン・リサイタル”となっていたが、内容からすると、“ヘンリ・シーグフリードソン”と併記してもいいし、 “バイオリン”もいらないかもしれない、という印象。音楽祭公式では“Presto”がこのコンサートのタイトル。 ちなみに今週の解説は樋口隆氏だった。話の内容は良いのだが、 怪しいアクセントがしょっちゅう出てくるのが気になってしまった。(NHK-FMだとなぜか目立ってしまう)

1曲目はロンド・カプリッチョ。 16分音符の走句はフォルテピアノのが有利だと思っているが、シーグフリードソンはなかなか軽快な音色で表現できている。

2曲目でコパチンスカヤ登場。2人ともいろいろ仕掛けて工夫が見られる。 出来は全く悪くはないが、ベートーヴェンなのでイマイチ実力を発揮できてないと感じさせてしまうところもある。 これは昨年の協奏曲でも感じたなぁ。

おそらく休憩を挟んで3曲目。パガニーニのカプリス。 コレはぜひ映像付きで見たいなぁ。変奏毎の音色の切り替えが良い。テクニック面は私にはわからない。もちろんすごいのだろうが、 みんなこれくらい出来るのかもしれない。

4曲目は再びシーグフリードソン一人で、ブラームスのパガニーニ変奏曲。 古今東西、様々な変奏に使われている主題ではあるが、この演奏会の3曲目4曲目の流れはなかなか面白い。

これ以降は(NHKの時間表記による正味演奏時間だけでも約20分にもわたる)豪華なアンコール。 こっちがメインなんじゃぁ?と思うくらい(笑)。で5曲目は普通にドイツ・リート。ヴァイオリンとピアノの演奏会というのを忘れれば、 何も気にせずじっくり聴き入れる出来。

6曲目はイギリスの作曲家アラン・リドによる、 ヴァイオリン独奏と語りによる作品。日本でも演奏されているようだ。ここではドイツ語による語り。 シーグフリードソンがまたまた芸達者ぶりを発揮している。音楽はヴァイオリンソロのみだが、時々牛の鳴き声も入っている。 語りにヴァイオリン独奏の音だと、ストラヴィンスキーの兵士の物語を思い出させるが、シニカルさというより、のどかさを感じさせる作品。 これは原作の性格のためか。アンコールにしては長く、一つの世界を持っている曲だけに、どういう導入で演奏を始めたのかが気になるところだ。

7曲目は定番のホラ・スタカート。彼女の、 素直にはいかない節回しが心地よい。聴衆も熱狂。

8曲目は、始めて聴いたサティのヴァイオリン曲。やはり素直でなく楽しい曲。 放送では、導入のコパチンスカヤの喋りも流れた。解説によると、『この演奏会のタイトルにあるように、プレスト、 つまり早く演奏するためには、沢山の練習が必要です。そうするとウデに筋肉が付いちゃうの』という内容で、客席もウケていた。 もちろんドイツ語の内容はわからないが、見た目通りのキュートな声だと言うことだけはわかった(笑)。

そして9曲目、うたの世界でも色物系エンターテイメント色の強い、 ロッシーニの猫のデュエット。歌詞はなく2人(2匹?)がみゃーみゃー歌う楽しい曲。 イメージではSop.とMs.のレパートリーの気もしたが、シーグフリードソンも歌う(そして伴奏も)。というか、 2人ともうまいぞ(笑)

ということで、ベートーヴェンなど忘れてしまいそうな楽しい演奏会だった。 もちろんベートーヴェンの出来もよかったのだが、他に比べるとちょっとかすんでしまうくらい。こんどは、 コパチンスカヤの自作も聴きたいところだ(作曲家でもある)

コパチンスカヤは、最近あちこち( 「おかか1968」ダイアリー,Clala-Flala)で話題のニコラ・ ベネデッティや、オランダ等のラジオ中継ででなかなか実力あるなぁと思っていたら すでにDECCAが獲得していたジャニーヌ・ヤンセンのようにヴィジュアル・デビューとは縁のない世界だと思う。 でも彼女ならかわいいおばあちゃんになれそうな気がする(笑)ので、きっと長く続くことでしょう。

 

さて、演奏以外に興味を引いたのが、雄牛のフェルディナンドの原作。 日本では児童書『はな の すきな うし』(岩波書店1954年)として知られている話。またこの原作を使って、Disneyも1938年に『牡牛のフェルディナンド』 として短編映画化しているらしい(アカデミー賞受賞)。長編で言えば『白雪姫』と『ピノキオ』の間の時期にあたる。 ディスニーのキャラクターの中で、鼻のあたりに蝶々が飛んでいる牛がフェルディナンド。私はDisneyのアニメは見たことないが、絵本は多分読んだことある(話の概要を知っていたので)。 話の内容は【参考サイト】 などにて。解説の樋口氏の説明を聞く限りでは、音楽も原作と全く同じ話のようだ。

発表された時期が、スペイン内戦(1936-1939)中ということもあり、 よく反戦的なメッセージととられる。しかし、もっと普遍的な“自分の個性をありのままに受け止める” というテーマなのではないかと私は感じる。話の中でのお母さんを登場させているところからも、そう思えてしまう。

posted by あさがら at 17:58| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月20日

フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団(Vc.ペーター・ウィスペルウェイ)、シューマン:チェロ協奏曲・交響曲第3番

19日にRADIO4 NLにて放送されたもの。

  1. シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ ホ長調作品52
  2. シューマン: チェロ協奏曲イ短調作品129
  3. シューマン:交響曲第3番変ホ長調作品97“ライン”
  • Vc.ペーター・ウィスペルウェイ
  • フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮
  • シャンゼリゼ管弦楽団

[2005-01-11,Muziekcentrum Vredenburg,Utrecht]

このコンビのシューマン録音(声楽曲以外)では交響曲と協奏曲の組み合わせでリリースされてきた。現在は、 第2番+ピアノ協奏曲(A.シュタイアー)と第4番+チェロ協奏曲(C.コワン)が出ている(再発で組み合わせが変わってしまっているが)。 第2番などは音色感からしてこの曲のリファレンスにしているくらい気に入っている。ライヴ寄りの録音のため、強奏時に音が荒れるが、 それも時代楽器の個性だと思う。

さて、CDでのチェロ協奏曲はコワンだったが、 今回はウィスペルウェイとの共演。現代楽器だろうと時代楽器だろうと、技術的には変わらない人なので、純粋に音色を楽しめる。 チェロ協奏曲は地味な部分が多いので、ソロもオケも音色が重要になることだし。

ラインに関しては、ほぼ予想通りの流れ。音の処理とかは、 もうこうしないとうまくいかないのでは、と思える(特に対位法的な積み重ね)。Trb.に関しても、 第4楽章から加わった意味が明確に出ており好ましい。

今後のCD録音に関しては、 残りは第1番+ヴァイオリン協奏曲と第3番+4Hrnコンツェルトシュトゥックなどという組み合わせだと嬉しいが、 やっぱりコンツェルトシュトゥックは難しいか…。

posted by あさがら at 18:17| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月11日

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロッテルダム・フィル、マーラー交響曲第8番

1/8にNetherlands Radio 4にて生中継されたもの。

  1. マーラー: 交響曲第8番変ホ長調(千人の交響曲)
  • Sop.クリスティン・ブルワー
  • Sop.ソイル・イソコスキー
  • Sop.Hyunah Yu
  • Ms.ビルギット レンメルト
  • Ms.アリス・コート
  • Ten.ヒュー・スミス
  • Bs.アルベルト・ドーメン
  • Bs.ヨハン・ロイター
  • ヴァレリー・ゲルギエフ指揮
  • ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
  • Groot Omroepkoor
  • ベルリン放送合唱団
  • Omroep Jongenskoor
  • Jongenskoor Rijnmond
  • ハーグ聖歌隊

2005-01-08,アムステルダム,コンセルトヘボウから生中継

オランダの放送関連の演奏団体名は難しい。

久しぶりにマーラーの8番をまとめて聴いた。 こういった多量の集中力を要する作品は、ゲルギエフの十八番だろう。 巨大編成でも、指揮棒なしで手のひらをひらひらさせているのだろうか。 (合唱に副指揮をたてる演奏もあるけど)

私は高校から大学にかけてはマーラー少年だったので、 どの交響曲もつぶさに聴いた。ちょうどマーラー・ブームで数々の演奏が世に出回ったし、国内版のスコアも入手しやすくなったところだった。 この第8番の第2部などはオペラと考えることも出来るが、今思えば交響曲とされていたおかげで、何度もスコア片手に聴いたのだろう。 (当時はオペラにはあまり興味はなかった)。

マーラー交響曲のなかで最も好きな第2番& 第3番は割と良く聴くが(昨年は第3番の好演が多かった気がする)、第8番はしばらく聴いていなかった。 第1部だけでもそれなりのボリュームがあるのだが、全体の割合からすると、すぐ終わってしまう印象。第2部終わり近くからの「神秘の合唱」 は絶品。第2番でも終わり近くで、合唱が再弱音から徐々に盛り上がっていくが、それをもっと拡大したものだ。 第2番の終楽章の構成はベートーヴェンの第九終楽章の影響を受けているので、第8番もその流れをくむものなのかもしれない。

バンダも含めてトランペットは最後の最後まで頑丈さが求められる。 ただHigh-CやHigh-Dを出すだけでも大変なのだが、太く美しい音を保っていないと興ざめしてしまう曲だ。その点、ウィーン・ フィルのような音の太さはないものの、ロッテルダム・フィルもなかなかの迫力をだしていた。

P.S.今日の深夜(0402JST)に、再放送されるようです。

posted by あさがら at 12:59| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月06日

フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ、バッハ:カンタータ第214,207番など

昨夜NRK-AKにて放送されたもの。 12/12にNHK-FMでも放送されたと思うが、そちらはまだ聴いてなかった。

  1. J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV
  2. J.S.バッハ:カンタータ「太鼓よとどろけ、ラッパよ響け」 BWV214
  3. J.S.バッハ:カンタータ「鳴り交わす弦の相和せる競いよ」 BWV207
  • Sop.キャロリン・サンプソン
  • Alt.インゲボルク・ダンツ
  • Ten.マーク・パドモア
  • Bs.ペーター・コーイ
  • フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮
  • コレギウム・ヴォカーレ

2004-06-05、ポツダム、ニコライ・ホールにて

いずれもラッパ隊の活躍する、聴きやすいプログラム。

ヘレヴェッヘの管弦楽組曲は録音あったかなぁ。ありそうだが、聴いたことがない。その点では貴重。

BWV214はクリスマス・オラトリオのパロディー元で、第1部や第3部に転用されている。 冒頭合唱などはこのカンタータのが直接的な表現で楽しい。『太鼓よとどろけ!』と歌えば、ティンパニが鳴るし、『ラッパよ響け!』と歌えば、 トランペットが3人でファンファーレになる、とうまくはまっている。

BWV207は逆にブランデンブルク協奏曲第1番のパロディーで、協奏曲はホルンのためF-durだったが、 カンタータではトランペットのためにD-durになっている。第3曲や第4曲のトリオなどが顔を出す。

コレギウム・ヴォカーレの演奏は安定したもの。カンタータ2曲は音楽劇のため、もっと過剰な演出の演奏もあるが、 ヘレヴェッヘはそこまではやらないものの、祝典的な性格は表現している。

P.S.最近NRK-AKの番組表は(これも含めて)録音日が未来日付のものがあるなぁ…。

posted by あさがら at 17:30| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月24日

ベルリン大聖堂でのクリスマス・コンサート

12/22にDeutschlandRadioBerlinにて生中継されたもの。曲目の詳細を載せたいところだが、 番組表にはすべて記載されておらず、ドイツ語のアナウンスも聞き取れないものがあり断念した。ガブリエリ,プーランク,ブリテンなどの他に、 新しめのクリスマス・カンタータなども演奏された。

ベルリン放送合唱団が中心の演奏会なのだが、ベルリン・フィルの金管奏者のメンバーが参加している。参加メンバーはわからないが、 音はまさにベルリン・フィル・ブラスの音だった。

posted by あさがら at 12:59| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月13日

セルゲイ・ナカリャコフ(フリューゲルホルン),スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団

昨夜SR2にて生中継。マチネなので、リアルタイムでも聴けた。

  1. ベートーヴェン:献堂式序曲 作品124
  2. モーツァルト:ホルン協奏曲第4番変ホ長調 KV495
  3. バッハ:管弦楽組曲第3番ニ長調 〜 エア (アンコール)
  4. シューマン:交響曲第2番ハ長調 作品61
  • フリューゲルホルン:セルゲイ・ナカリャコフ
  • スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮
  • ザールブリュッケン放送交響楽団

[コングレスハレから生中継]

今年のN響でのベートーヴェンの名演が印象に残るスクロヴァチェフスキ。献堂式はやらなかったかなぁ。

そして注目はナカリャコフのフリューゲルによるモーツァルト:ホルン協奏曲。 ウェーバーのファゴット協奏曲やサン=サーンスのチェロ協奏曲をフリューゲルで吹いたCDを出しているくらいなので、 無理はないだとうとは思っていた。調べてみれば、過去のリトアニア室内管との来日でもホルン協奏曲を披露していたらしい。

音色のマッチングとしては、クリスチャン・リンドベルイがアルト・トロンボーンで演奏したホルン協奏曲に近い。 リンドベルイは芸風もあり、ぱきぱきした表現だったが、あれを少しウェットにした感じ。上の音域も、下の音域も音色は似ている。これは、 リンドベルイのアルト・トロンボーンの音色が、やや独自なせいだろう。

そして大好きなシューマンの2番。スクロヴァチェフスキはいつものように細かいところにコダワリを見せて楽しませてくれる。 特に終楽章の付点のリズムは付点の音を抜かずにぎりぎりまで保たてさせていた。それでいて快速さはあるので、 テンポ感を出すのは結構難しいだろう。

とことで、SR2は公式でwma:64kとなっているが、少し前までは実際に受けたメタファイルは128kが2本となっているた。 これが同一の音ではなく、片方は音が歪み気味でもう一方が正常な音となっていた。うまく選択すれば、高音質で楽しめていた。しかし、 最近はこのうち片方しかつながらない。それが音質の悪い方なので、がっかり。(昨日もそうだった)

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posted by あさがら at 19:15| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月30日

サカリ・オラモ指揮フィンランド放送交響楽団,Pf.オッリ・ムストネン:レスピーギ ミクソリディア旋法の協奏曲

先週から今週にかけて、各局で放送されている演奏会。昨夜は、 Musiq3,SR2-Kultur,SR-P2といった高レート局で軒並み放送。

  1. レスピーギ:ミクソリディア旋法の協奏曲
  2. シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
  • Pf.オッリ・ムストネン
  • サカリ・オラモ指揮
  • フィンランド放送交響楽団

[2004-11-26,フィンランド放送コンサートハウス]

シベリウスはまたしても失敗して最後が聴けない。高レートすぎて容量オーバーになってしまったようだ。 レスピーギは珍しい曲なのかもしれないが、ムストネンの力のこもった演奏が魅力たっぷりだ。

この曲を聴いて思い出したのが、大好きなF.シュミットの歌劇「ノートル・ダム」 間奏曲(よくヤルヴィやカラヤンの間奏曲集に収録されている)も、ミクソリディア旋法を使用しているのだろう。話の内容は知らないが、 題名からすると関連ありそうだし。

ミクソリディア旋法は主音の周辺が全音間隔が多いため、開放的で超長調と言われたりするようだ。そういう、古めかしさと熱狂・ 感動を併せ持った不思議な音階である。もちろんこのレスピーギも同じ感覚に支配されている。

posted by あさがら at 12:58| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニコラウス・アルノンクール指揮コンセルトヘボウ管弦楽団/Bar.クリスティアン・ゲルハーエル

11/28の深夜にRadio4(オランダ)にて放送されたもの。

  1. ベートーヴェン:コリオラン序曲 作品62
  2. ドヴォルジャーク:聖書の歌 作品99
  3. シューマン:交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
  • Bar.クリスティアン・ゲルハーエル
  • ニコラウス・アルノンクール指揮
  • コンセルトヘボウ管弦楽団

[2004-11-24,アムステルダム,コンセルトヘボウ]

アルノンクールの「ライン」は初めて聴いた(*)気がする。もうお馴染みの語法で、 音を切るだけではなく時にはテヌートで強調して変化を付けている。

コンセルトヘボウ管弦楽団はVn.両翼配置だったり、ティンパニは固めの音をしているが、 昨今のナチュラルトランペット使用や弦のノンヴィヴラート多用の風潮からすれば、音の刺激は少な目。しかし、 早くからアルノンクールと共演して、古楽的な奏法にも(そしてアルノンクールにも)慣れており、そういう安定感はすばらしい。たとえば、 ウィーン・フィルがラトルの古楽的アプローチも含めた指揮とがりがりやり合っているのも、それはそれで面白いが、 指揮の意図がよく現れた演奏は聴きごたえがあると感じた。

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2004年11月08日

フンメル:トランペット協奏曲/Trp.ダヴィット・ゲリエ,ファブリス・ボロン指揮北ドイツ放送フィル

昨夜NDRで放送されたもの。

  1. ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
  2. フンメル:トランペット協奏曲ホ長調
  3. ビゼー:交響曲第1番ハ長調
  • Trp.ダヴィット・ゲリエ
  • ファブリス・ボロン指揮
  • 北ドイツ放送フィル(NDR Radiophilharmonie)

[2004-09-02収録]

指揮者の名前の読みは、たぶんこんな感じに読んでいた気がする。オケは大植氏と来日したハノーファーのオケだと思うが、Hannoverの表記がないので自信なし。

さて、ダヴィット・ゲリエは先日のウィーン・ブラスでの強烈な印象が残っているだけに、とても気になったコンサート。フンメルのみ聴き終わった。NDRはビットレートが低いため、細かな音色はわからない。それでも、芯が太いがアタックの柔らかい音色はわかる。また通常へたり気味になる、たまに出てくる低音もよく鳴らせている気がした。ライヴとはいえ、技術的に怪しかったのは、跳躍で一カ所あったくらいの完璧な演奏。

ただ、気になったのはテンポ設定。全体に遅く着実な音楽の作りで、それはそれで素朴なのだが、第1楽章などは推進力が失せているように感じた。もっとも素人のように、吹けないから遅いのではなく、音色と良く合った説得力のある解釈ではある。第2楽章も始まってすぐのトリルが無く、ただ音を伸ばすだけなのも、音色で勝負できるからこそのやり方かもしれない。第3楽章は遅いとはいえ、他が快速すぎるのだろう(付点のリズムが再現できない演奏が良くある)。

オケは可もなく不可もなく。遅めのテンポ設定でも前進できる伴奏ができれば、なおいいのかもしれない。

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posted by あさがら at 19:35| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月26日

ネーメ・ヤルヴィ指揮UBSヴァルビエ祝祭管弦楽団演奏会

10/20にMusiq3にて生中継されたもの。

  1. エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
  2. R.シュトラウス:4つの最後の歌
  3. バルトーク:管弦楽のための協奏曲

いわゆるユースオケらしい。ヴァルビエ音楽祭は知らなかったが、スイスの銀行UBSがスポンサーで、アカデミーとコンサートの充実した音楽祭らしい。このUBSヴァルビエ祝祭管弦楽団はこの秋にデュトワと来日するとか。若々しい名手ぶりがすがすがしい。

放送予定のプログラムでは、オープニングがヤルヴィお得意の、シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォになっていたので楽しみにしていたのだが、変更になったようだ。エネスコのルーマニア狂詩曲も大好きな曲だし、なによりこのオケの機能性を発揮するには、よりよいプログラムとなった。ルーマニア狂詩曲のライヴはあまり聴く機会がないのだが、改めて難しい曲だと感じた。

ヘンドリクスを迎えてのシュトラウスを挟み、後半はオケコン。まあこれはユースオケならよくある選曲だな。

なお、アンコールではちゃんとアンダンテ・フェスティーヴォもやってくれた。

posted by あさがら at 17:50| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年09月14日

Philippe Herreweghe, Orchestre des Champs-Elysees:BRUCKNER Sinfonie Nr.5 B-dur

HMFから交響曲第7番を出したこのコンビだが、今は丁度5番を演奏している時期のようだ。
Musikfest Bremen 2004での9/12(@Die Glocke)の演奏を、DeutschlandRadio Berlin(mp3 48kbps)が中継。例のKlaraFestivalでも9/14(@Paleis voor Schone Kunsten)の演奏の中継がある予定だが、気になるので聴いた。ややレートが低いのが気になるが、それは後のKlaraで補えそう。
  1. マーラー:亡き子をしのぶ歌
  2. ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調
  • アンドレアス・シュミット, Bar.
  • シャンゼリゼ管弦楽団
  • フィリップ・ヘレヴェッヘ
ブルックナーの一部を聴く。レートが低すぎて、金管楽器の音色感はちっとも掴めない。これはKlaraの放送に期待。それでもテンポの持っていきかたや、弦の刻みのバランスは独自のものがある。
tuttiでのコードの後に、高弦の刻みが残る場所があったのだが、かなり抑えて透明な響きにしており、何とも言えない残響感があった。
個人的にはトロンボーンセクションの音色が気になるところだ。1番はアルトの指定だが、現代オケの場合、よほどコダワリがあるトコ以外は、通常テナーで吹いている。オクターヴユニゾンはさほど変わらないのかもしれないが、コードのアルト音域の音色はもっと明るくて良いと思っているので。ピリオド楽器なら、もちろんアルトを使用しているはずだ。
posted by あさがら at 18:04| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年09月10日

Fp.アレクセイ・リュビモフ, ジョス・ファン・インマゼール指揮アニマ・エテルナによるブラームス・プロ

昨日今日とWebで取得したのを聴いている。実は初めて聞いた音楽祭なのだが(どういう音楽祭なのでしょうか?)、サイトにはWebCastもあった。以前SEEDS ON WHITESNOWで、今年インマゼール&リュビモフでブラームスを演奏するのが紹介されていたが、こういう形で聴けるとは思ってなかった。放送の存在は、オペラキャストで以前紹介されていたThe Late Romantic Concert Broadcast Pageにて見付けた。
  1. ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15
  2. ブラームス:ラプソディー<アンコール>
  3. ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68
Fp.アレクセイ・リュビモフ, ジョス・ファン・インマゼール指揮アニマ・エテルナ
リュビモフのアンコールはラプソディーだというところまでしか聞き取れない。アニマ・エテルナの公式サイトによると、プログラムの最初にハイドンの主題による変奏曲も演奏されたらしい。これも聴きたかったなぁ。
リュビモフのピアノは適切な音がし、響きすぎずかといってやせた響きでもない。終楽章の冒頭などは、こういう楽器だからこそ、ここにトリルが入るのだなぁと納得。コーダのオケも、一旦落ち着いてから木管・ホルンが中心の響きになるが、その音色感もgood。モダン楽器の演奏で感じていた違和感は、ピアノのペダル使いすぎ、オケはそれに合わせて厚く鳴らしすぎ、から来ていることを再認識。
コンチェルトだけでなく交響曲でもホルンのストップ音は盛大に聴こえた。4本ともバルブなし(または少ない)楽器を使用したようだ。
終楽章でのホルンの有名な主題(30小節からのE--DC-G)が最初に出てくるところは、1番が主題で、2番は間のG音を延ばす役割。Fl.やTrb.の後、再度ホルンに主題が出てくるところ(52小節から)は、1番と2番の掛け合いのようになっている。ここで2番の主題(F---ED-C)、出だしのFはストップ音になり強烈。その分1番の下のGが良くきこえ、対等な掛け合いとは違った印象を受けるのが、大変興味深かった。
ホルンは全体を通して、バルブなしながらも安定した演奏。2楽章のソロなどはすばらしかった。
終楽章のトロンボーンのコラールも古風な音色。低レートながら、コントラファゴットの雰囲気も感じられる。
テンポとしては、例えば第1楽章は全体を通して早めで、指示がないが慣習的にテンポを落とすようなところも、ストレートに進むものだった。
残念ながら設定をミスり、終楽章の主部に入ったところで切れてしまったのが悔やまれる。チャイコフスキーのように、ZIGZAGがCD化してくれると良いのだが。
posted by あさがら at 18:48| 千葉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:今日のBGM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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