![Kegel BEETHOVEN Sym5[ALT056]](http://asagara.seesaa.net/cd_img/ALT056.jpg)
ヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィル
1989年10月18日,サントリーホールにて録音 [Altus ALT056]
以前から気になっていたが、山野楽器でAltusレーベルは\1500のセールをやっていたので、やっと買った。
来日公演のNHKによる放送録音をCD化したもの。当然NHK-FMでも流れたのだろうが、ちょうど生活環境が変わってFMを聴かなかった時期のようで、ちっとも記憶に残っていない。
当日演奏会の後半であるベートーヴェンの5番とアンコールのバッハの(G線上の)アリア。
ベートーヴェンはとにかく哀しさを感じさせる演奏。“苦悩から歓喜へ”の曲なので、第3楽章に厳しさを感じることは良くあるが、この演奏は哀しい。それが、終楽章の頭で解放されるのだが、その延ばしがなかなか長くてびっくり。
もちろん、終楽章の頭の2分音符をフェルマータ気味にのばし、以降の8分音符(+8分休符)からテンポを戻す演奏は存在する。が、ここまでのばすと実演で聴いたら仰天しただろうな。
3楽章までの哀しさがあるため、終楽章で歓喜していても、「ホントに喜んでいいの?」的な不安がついてしまう不思議な演奏(もちろん高い集中力の名演)
アンコールがなぜかバッハのアリア。弱音を大切にしたなんというか自分のための音楽。美しい、とはまた違う不思議なもので、あまりにも引き込まれてしまうため、そう気軽に聴けない。
トロンボーン的には(もちろんベートーヴェンのみ)2番奏者が突出するくらい吹きまくっており、録音的にはイマイチに思われるかもしれない。しかし、ベートーヴェンやブラームスの時は、それくらい2番が吹いてくれると、1番奏者も吹きやすいのは確か。