2003年12月07日

ジュリアン=ユー編曲の室内楽版『展覧会の絵』

先週日曜のFMシンフォニーコンサートで放送されたものを聴いた。(岩城宏之/オーケストラ・アンサンブル金沢)確か奏者は16人とか。
全体はビゼー=シチェードリンのカルメン組曲みたいなコンセプト。ラヴェルの音のパレットそのままの部分もあるが、いろいろ工夫している部分があり、とても刺激的だった。(ミュート付きトランペット+コールアングレのオクターブなんていうドビュッシー的な音色もあった)
オーケストレーションだけでなく音も結構いじっており、特に印象に残ったのが次の2点。(1)ベルトーンの多用…響きの広がりを出して、編成の小ささを補っていた。(2)拍ずれ旋律のディレイ・エフェクトみたいな効果…現代音楽的には、何という技法かわからないが。演奏はとても難しそう。
ロムナードはヴィオラを基調とした、落ち着いた色合い。プロムナード毎に色を変えるラヴェル版とは異なり、ヴィオラの基本線は残しつつ、変化を付けているのは見事
各曲工夫されていたが、一番印象的なのは、最後のバーバ=ヤーガからキエフの大門にかけて。まず、バーバ=ヤーガは短い。本来A-B-A形式だが、この版ではAのイントロが終わるといきなりBに飛ぶ。またキエフの大門へのブリッジは、最後にディミヌエンド(!)し、キエフの大門は小さく始まる。原曲もラヴェル版もいきなり門が目の前に現れるイメージ。しかしジュリアン=ユー版の場合、門は遠くから徐々に近づき全容を表す。最初は鳥瞰しているイメージだそうなので、バーバ=ヤーガが飛んでいきそのまま空から大門を見付けた、そんなイメージだろか。
金管アンサンブルにしてもトロンボーンアンサンブルにしても、展覧会の絵の編曲の需要はあるのだが、今まではあまり乗り気ではなかった。(実演では余りよい演奏にならないと思っていた)。その一番の原因がラヴェル版の呪縛。特にバーバ=ヤーガ〜キエフの大門で強奏が続くのは、金管楽器のみの演奏では、聴衆・奏者ともにつらい。かといって、この曲は避けられないため、やっぱり向かない曲という認識であった。
しかし、今回の室内楽版はとても勇気づけられた。他にも金管アンサンブルやトロンボーンアンサンブル向きの工夫が、いろいろできる気がしてきた。ラヴェル版の忠実な編曲、のイメージだとへんてこりんかもしれないが、その編成にあった、面白い編曲も可能だと思う。ただ演奏時間は長いかな。
いまのところ優先度は低いが、そのうち手がけたいものだ。


posted by あさがら at 03:31| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:聴く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2003年10月07日

ハーディング/マーラー室内管

先週のNHK ETVの芸術劇場で放送したD.ハーディング/G.マーラー室内管の演奏会(オールベートーヴェンプログラム)をざっと見た。
トランペットパートはバロックトランペット使用で、ティンパニも手締めの小型のもの。このセクションはとてもいい音をしていた。トランペットのコントロールもなかなかだった。
この辺までは最近ではよくある光景だが、1番クラリネット奏者の使用楽器が黒くない楽器(オリジナル楽器ではよくある色)だったのは珍しかった。
第5番の終楽章などは指揮もよく考えられており、熱く押し通すだけでない芸の細かさも見られた。その分音に隙間が感じられる瞬間が多かったので、一般の耳にはなじまなかったかも。
トロンボーンはまあまあ。アルトはだいぶ細身の楽器に見えたが。ハイトーンがぎりぎり当たっている感じで(外しているわけではない)、音をわかって聴いているとハラハラした(大して聞こえない割に難しい曲なのだ)
posted by あさがら at 17:50| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■世界のホールから:聴く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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