8/26にORFで生中継されたザルツブルク音楽祭からの演奏会。
- ニールセン:歌劇「仮面舞踏会」序曲
- バルトーク:「中国の不思議な役人」Sz.73
- シベリウス:交響曲第2番ニ長調作品43
フェルゼンライトシューレから生中継
- 指揮:ユッカ=ペッカ・サラステ
- シュターツカペレ・ドレスデン
改めてシュターツカペレ・ドレスデンは上手いと感じた。単に機能的にすぐれているオケなら、もっとある。音色の適切さや魅力と機能性の両方が備わっている(*1)上手さ。
特にシベリウスが良かった。終楽章のドライブ具合は見事で、コーダのテンポは、「まさにこうやりたいのだけど(*2)」という壮大さ。最後のコードは音を一つ一つ吹き直すが、その間には意図的に弦セクションの音を残すのが、成功している(ごうっという感じ)。最後の音でのトロンボーンのクレッシェンド具合は、途中で吹き直しているか、後出しにしか思えないが、よく効いているわ。
以下は聴きながら思い出したことで、この演奏とは関連ない。シベリウスのトロンボーンの使い方の特徴としては、音域が下寄りというのがあり、この曲もそう。ほとんど五線(ヘ音記号)に収まる。ところが、コーダ最後のトランペットとのユニゾンのみが、突然音域が上がる(*3)。そこだけ吹くのはたいしたこと無いが、ずっと通してきた後だと、結構もたないものだ。
あとは同じ箇所の3番パートの話。先ほどの記述は1番と2番パートのみで、3番はまたちょっと違った事をしている。上とは異なり、音を伸ばして残るので、ちょっとエコーっぽい効果がある。が、こちらがよく聴こえる演奏は少ない。(*4)
*1 私の好みは、多少音色優先のようだ。
*2 実際吹いてみると、あまり遅すぎると息が持たなくなるので、そんなにゆっくりにもできない。
*3 といっても、他の作曲家からすればさほど高くないが。急に輝かしくき聴こえるという効果を狙ったのだろう。
*4 この日のシュターツカペレ・ドレスデンもあまり目立たなかった。強調していないだけなのかはわからない。