2005年01月17日

千葉フィルハーモニー管弦楽団演奏会@習志野文化ホール(1/16)

名前の印象とは異なるがアマチュア・オケで、評論家としても有名な金子建志氏が指揮をとっている(公式サイト)。知り合いが多いが、 特にTrp.の2人は妻の金管アンサンブル(K.Klang)のメンバーでもあり、最近は私が編曲した無理曲も吹いてくれている、 ありがたい方々。今回はストラヴィンスキーのペトルーシュカと名手ぶりを発揮できる曲なので、楽しみにしていた。

  1. チャイコフスキー:デンマーク国歌による祝典序曲 作品15
  2. ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1911年原典版)
  3. ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92
  4. J.シュトラウス:トリッチ=トラッチ・ポルカ(アンコール)
  • 金子建志 指揮
  • 千葉フィルハーモニー管弦楽団

2005-01-16,習志野文化ホール

20回の区切りの演奏会とのことで、今までの演奏曲目もプログラムに載っていた。ここのTrb.は安定しているので、 メンツはほぼ固定だが、たまたま揃わなかったのか、 一度だけ吹かせてもらったことがあった(R=コルサコフのスペイン奇想曲とR.シュトラウスのティル〜)。 自分の演奏活動の中では停滞していた時期で、今思えばちっとも役に立てなかったトラだったと申し訳なく思いつつ、プログラムを眺めていた。

オープニングは、珍しいチャイコフスキーの曲。この団体にはなかなか思い入れがあるようだ。曲目解説では、同系列の曲 “戴冠式祝典行進曲”よりこの曲の方が出来がよい、となっているが私は戴冠式祝典行進曲の脳天気さのがより好きである。 とくにイントロからキャッチーだし。もちろん、この曲が一番最初のオリジナルで、 有名なスラヴ行進曲や1812年のルーツという点でも重要な曲なのは間違いないが。特に1812年は、 冒頭の聖歌とコーダの大砲くらいしか新しい要素はなく、他はすべてこの“デンマーク国歌による祝典序曲”に含まれているあたりは興味深い。

曲の前半は、演奏会の最初という不安定さが影響しており、特に音の隙間で音楽の流れが持続しない。構成として場面転換が多く、 場合によっては散漫に聴こえがちな曲のため、場面転換が効果的にならないのは痛い。後半は持ち直し、盛り上がって終了。

お目当てのペトルーシュカはあまり採りあげられない1911年原典版。ペトルーシュカはどちらでも気にならないのでかまわない。 (個人的には火の鳥の原典版には、まだTrb.のグリッサンドがないため、火の鳥だと版は気になるが)。どの版にしても各楽器難所があるが、 特にピアノと木管各低音(コールアングレ、バスクラリネット、コントラファゴット)とトランペットは見せ場が多い。 トラペットのソロは期待通りで堪能した。最後の幽霊はピッコロ・トランペットで音程が不安定なせいか、やや2度が狭いところがあったものの、 とても効果的だった。

なお、ペトルーシュカが崩れる場面での“落とす”タンブリンは、見えやすい(聴こえやすい)ように、 わざわざヴァイオリンの外まで出てきて演奏していた。ほかがどうやっているのかは、そういえば見たことがないなぁ。

全体としては難曲なため、この団体がマーラーを演奏するような確信が少なく、若干余裕が少ない部分もあったが、 なによりここまで聴かせてくれるのは大変なことだと思う。

さて、休憩を挟んでベートーヴェンの第7交響曲。管楽器はクラシカルなフル倍管のため、Trp.も4人全員で演奏。 アシとはいえ3曲乗りは大変そうだ。Trp.に関しては4人で吹いたのはマイナスに影響した部分が多かった。 Aの音程が合わず目立っている箇所が散見された。部外者ながら、2人ずつ交代で吹いた方がましなのにと思った。

以前にブラームスを聴いたときにも感じたのだが、弦セクションの燃焼度が低かった。どこのオケでも、 ベートーヴェンやブラームスだと弦はもっと弾きまくるのだけど、あまり好きではないのかなぁ。

アンコールは短く1曲のみ。天気が悪いので、あまり粘らず帰った。

posted by あさがら at 18:20| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | ■世界のホールから:聴く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
嵐の中、ご来場ありがとうございました。
確かにペトルーシュカはいままでやった中でも特に難しかったです。そんな中で、隣で吹いているソロを聞いていて、私は感激していました!
ベト7の管セクション全倍管?は意図があったのですが、トランペットについては弊害のほうがおおきかったと私も思います。これも難しかったです。
Posted by N at 2005年01月17日 20:01
演奏お疲れ様でした。
ベートーヴェンはやりがいがありすぎて、このプログラムでやるのはもったいなかったですね。
まあでも、ペトルーシュカ楽しめたので良かったです。
合わせるのに苦労しているのが表面に出てしまったところもありますが、あの指揮でそこまで出来るのは、ホントすごいと思いましたよ。
Posted by あさがら at 2005年01月18日 13:50
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Excerpt: 記事のアップが遅くなってしまったが,昨年のサマーコンサートに続き,コントラバスM
Weblog: ひげぺんぎん不定期便
Tracked: 2005-01-19 20:24
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